労基署の立入調査Q&A


Q 労基署とは?

労基署とは、労働基準監督署の略称で、労働基準法その他の労働者保護法規に基づいて事業場に対する監督及び労災保険の給付等を行う厚生労働省の出先機関です。

労働基準監督署は都道府県労働局の指揮監督を受け、都道府県労働局は主に厚生労働省の内部部局である労働基準局の指揮監督を受ける関係にあります。

Q 労働基準監督官とは?

労働基準監督官は、労働基準監督署において労働基準関係法令に係る行政事務を行っているが、労働基準関係法令違反事件に対してのみ司法警察員として犯罪の捜査と被疑者の逮捕、送検(書類送検を含む)を行う権限があります。海上保安官や麻薬取締官等と同様、特別司法警察職員の一つとされています。


Q 労働基準監督官の権限を教えてください。

1 事業者などへの立入調査(臨検)を行うこと(労基法第101条第1項・労安法第91条第1項

2 帳簿・書類の提出を求めること(労基法第101条第1項)

3 使用者又は従業員に対して尋問をすること(労基法第101条第1項労安法第91条第1項

4 使用者又は従業員に法律の施行に必要な事項の報告を求めること(労基法第104条の2・労安法第100条第3項

5 使用者又は従業員に出頭を求めること(労基法第104条の2・労安法第100条第3項

などがあります。

Q 労基署の立入調査とは、何でしょうか?

労基署の立入調査は、臨検とも呼ばれ、労働基準監督官が事業所に対して労働基準法、安全衛生法等違反の有無を調査する立ち入り検査のことです。


Q 立入調査が行われる場合とは?

一定の計画に基づいて業者や規模を任意に選んで行われる定期監督と労働者等からの申告に基づいて行われる申告監督があります。


Q どのような書面や内容が調査されるのでしょうか?

・労働条件通知書または労働契約書

・労働者名簿

・賃金台帳

・タイムカード等

・就業規則等

・各種労使協定届

・安全衛生関係書面

などが考えられます。


Q 立入調査は突然来るのでしょうか?また、立入調査を拒否することはできるのでしょうか?

事前に予告がある場合もありますが、予告なく突然来る場合もあります。

使用者・事業者は立入調査を拒否したり、虚偽の陳述をすると、罰則を科される可能性があります(労基法120条)。ただし、刑事訴訟法上の捜索・検証・差押えや国税犯則取締法の「臨検、捜索又ハ差押」のように、相手が立ち入りを拒否した場合に有形力を行使して立ち入る即時強制はできません。


Q 調査後は、どのような結果になるのでしょうか?

労働基準法違反や安全衛生法違反が判明すると、指導票や是正勧告書が渡され、指導や勧告がなされます。その指導や勧告に従わない場合には、最終的には送検手続きがなされる場合もあります。


Q 是正勧告はどのようなものでしょうか?

36協定なく法定労働時間を超えて残業をさせていた場合には、労基法32条1項等違反となります。したがって、36協定の締結か、残業をさせないようにするかの是正を求められます。